コラム「夜間飛行」
2008年05月03日
聖火リレー妨害とスタンド・アローン・コンプレックス
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man
このところチベット人権弾圧に抗議する人々が、各国でオリンピックの聖火リレーを妨害する事件が続発したが、ニュースを見ていて思ったのが、攻殻機動隊で使われているスタンド・アローン・コンプレックスという言葉であった。一人一人は個別の行動であるが、それらが複雑に絡み合って大きな動きになっているところが、現代のネットワーク社会の特性が表れているように感じた。
昔であれば組織的な反対活動、妨害活動が行われるのだろうが、今回の事件は、それぞれは個別独立した人が各々行動しているため、警備する側も予測がつかず、難しい点があったのだろうと思う。
こんな現実を予想したかのようなビデオ映画が、この攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man である。物語の中で私腹を肥やす警察の高官が、つぎつぎと妨害者に攻撃されるところが、何とも似ている感じがした。
スタンド・アローン・コンプレックスという考え方が出てくる第2作もある。
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG Individual Eleven
こちらは、テロリストが個別独立に発生するというところから物語が始まる。
攻殻機動隊S.A.C.のシリーズは近未来感が特徴だと思うが、今回の聖火リレーの妨害事件は、近未来が現実になってきていることをリアルに感じた。
2006年12月30日
2006年11月10日
フロンティアスピリットの時代へ
コラム 〜夜間飛行〜
フロンティアスピリットの時代へ
今日、仕事がきっかけで気がついたことがある。
これまで誰も「それ」をやったことがない。
という言葉が二通りの使われ方をすることを。
誰もやったことがないことだから、私は「それ」をやらないという人達と、
誰もやったことがないことだから、私は「それ」をやるという人達である。
前者についてはわかりやすい。身の回りにいる普通の人達である。
後者はどのような人か想像が付くだろうか。後者は研究者、開発者、クリエイター、アーティスト、起業家という人達だと思う。
後者が発注者、前者が受注者としてシステム開発をするようなケースの場合、両者の話がなかなか噛み合わないのは必然とも言える。なぜならば、Aという前提条件に対してBという結論を持つ人とNot Bという結論を持つ人が会話をするためである。
普通の人が大多数を占めることによって世の中は安定し、研究者、クリエイター、起業家という人達によって世の中は進んでいく。
誰もやったことがないことをやると決断する人達。この人達をなんと呼べばよいのだろう。昔、アメリカに移住した人達も、このような精神の持ち主が多かったのであろう。そうであれば敬意を表して、ここではフロンティアスピリットの人達とでも呼ぼうか。
20世紀は工業の時代、物質の時代であった。この時代は物を大量に複製するということが富の源泉であった。21世紀は情報の時代、ネットの時代である。音楽も新聞も旅行の予約も、買い物も、ネットの世界に移っている。
情報の世界では複製は容易である。物の世界では物の複製の仕事に多くの人が従事したが、情報の世界では複製は仕事ではない。
情報の世界では、他と違うことが情報を生み出す。逆に言うと、誰かがやったことをなぞるだけでは、それは単なる複製であり何も情報を生み出していないことになる。情報を生み出すことが出来るのは、それまで誰もやったことがないことを誰かがやった時だけである。情報の時代の富はここから生まれてくる。
社会のミームとしてのフロンティアスピリットが根付いているアメリカが強いわけである。
研究者精神、アーティスト魂、起業家スピリットというのは、その人の生まれながらの性格だけでなく、幼少期の育てられ方、幼児・児童、思春期という成長過程での学習と体験、社会に出てからの経験などによって形作られている。誰もがフロンティアスピリットは持っている。得意分野ではフロンティアスピリットを発揮しやすいし、初めての分野、知らない分野では保守的な普通の人になるというように、誰でも使い分けている。
これまで誰もやらなかったことにチャレンジする
このフロンティアスピリットを持ち続けることが、これからの時代を生きる鍵になる。























