自伝

2008年06月10日

音楽遍歴3

音楽遍歴 (日経プレミアシリーズ 1) (日経プレミアシリーズ (001))
小泉元首相の自伝はまだ書かれていないが、本書は、クラシックやオペラ、プレスリーなど音楽分野の好みに関する自伝のような本である。小泉元首相の語り口そのままの文章であるため、文章でも特徴が出るのだなと最初は思ったが、元首相へのインタビューをして書かれた本とのことである。断定的な話し言葉が多いのはこのためか。だが、元首相の雰囲気が良く出ていると思う。

素人の趣味とは言いながら、幅広くクラシックを聴いてきた嗜好の変化などが詳しく書かれている。クラシックやオペラに興味の無い人でも、本書を読むと、自分も聴いてみようかと思うかもしれない。

音楽の楽しみ方を知らせてくれる本である。



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2008年05月08日

カンブリア宮殿25

カンブリア宮殿 村上龍×経済人II

読み始めて、ゲストの人選がすごいと思った。初巻のときよりも、ある種の凄みを感じる。初巻のときはまんべんなく、総花的な、幕の内弁当のような感じだった記憶がある。企業の規模別、成長段階別にバランス良くという感じだったと思う。ところがこの第2巻は、明らかにねらいがあり、人選に偏りがある。社長たちの信念の強さ、事業に対する集中力、思い入れの強さだけでなく、挫折や失敗の経験とそこからの成長、復活に焦点を当てていると思う。

登場する企業は名の知られた企業が多いが、多角的に事業展開している企業ではなく、この道ひとすじという会社が中心である。尖ったトップ企業を選んでいるともいえる。

どの社長も個性があるが、それぞれ魅力的な人物だと思う。



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2008年05月03日

私はこうして受付からCEOになった5

私はこうして受付からCEOになった

米国のヒューレット・パッカード社のCEOだったカーリー・フィオリーナの自伝。気弱な女の子だった著者が、成長し、就職し、仕事に努力していく中で、ついにはトップ企業のCEOにまで出世する。出世物語であるが、男性CEOが書く本とは違い、女性ならではの苦労、葛藤が、率直に語られていてとても好感を持てる。

仕事に取り組む上で何を大切にするべきか、本書は初心に返らせてくれる本であり、とても元気になれる本でもある。

カーリー・フィオリーナというと鉄の女性のようなイメージを持っていたが、マスコミのバッシングなどで傷ついていたということもよくわかった。

先週まで日経新聞の私の履歴書で扇千景の連載があったが、それとも通じる部分があるような気もする。

カーリー・フィオリーナのコンパック買収劇については、この本がわかりやすい。

私はあきらめない―世界一の女性CEO、カーリー・フィオリーナの挑戦

あきらめないというのは、大切だと思う。



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2008年03月31日

波乱の時代(上)5

波乱の時代(上)

FRBの仕事として心がけるのは、できるだけ曖昧に話すこと。なんだか、自伝でもそれを実践しているような感じの本だった。
中央銀行は何を考えて、どのような意図のもとに金利を上げ、下げるのか。そのことについてはとても理解しやすい感じがした。国全体の物価やインフレ、失業率を金利だけでコントロールしようという、壮大な仕事だと思った。一方で、神の視点に近いような感じもして、少し不快感も感じた。
学究肌の人物が、コンサルタントからFRB議長になり、18年間もその地位を保つ。きっといろいろなこともあっただろうが、そういったことは本書では触れられていない。ある意味で、政治家の自伝に近い感じもする。
とはいえ、なかなか知ることができないFRBや各国の中央銀行の仕事がわかりやすく描かれている。また、政府や政治家との関わり合い、議会との関係も読んでいて面白かった。
ロシアに民主主義と資本主義が根付かなかった理由の考察は納得できるものがあった。LTCMの危機の処理の話やアジア通貨危機はさらりと流している感じ。現ブッシュ政権の登場あたりからは、話が駆け足になってくる。最近の話には、まだ、あまり触れたくないということだろう。
伝えたいことだけを伝えようとしていて全体的に抑制が効いているが、なかなか面白い本だったと思う。



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2007年12月06日

小泉官邸秘録4

小泉政権の5年半を政策秘書が振り返ったのがこの本である。

小泉官邸秘録

小泉政権が国民の支持を権力基盤とした政権であったこと、自民党との駆け引き、官僚組織の使いこなしなどの苦労とその成功を綴ったものである。秘書の仕事の振り返りというよりも、小泉政権の政策決定プロセスがどのようなものであったのか、どのような苦労があったのか、どのような工夫があったのかということが描き出されている。読んでいて、とても痛快でな物語である。また一方で、マスコミ報道の偏りによって、小泉首相に対していろいろなイメージを私たちは植え付けられていたのかもしれないという印象も持った。本書が痛快なのは、小泉首相の筋を通す、正論の正攻法のスタンスにあるのかもしれない。自己啓発の本にはよく、あきらめないことが成功の条件としてあげられているが、小泉首相はその典型例なのだろうと思った。

本書では、内閣は官僚を使いこなしつつ自民党と戦ったという書き方をしていたが、一方で竹中平蔵大臣の本では、自民党の有志の協力を得つつ、官僚組織との戦った話が書かれており、これもポジションと与えられた任務の違いがあらわれていておもしろかった。

ぜひ、この本も読み比べてほしい。

構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌



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2007年02月03日

成功はゴミ箱の中に2

自伝は歳を取ってから書くものではないのかもしれない。過去は美化され、自分は常に正しかったと書きたくなるのかもしれない。以前に読んだフランクリンの自伝もそんな感じであったが、今日読み終えたマクドナルドの創始者、レイ・クロックの自伝の文章はかなり強烈であった。

成功はゴミ箱の中に―レイ・クロック自伝 世界一、億万長者を生んだ男-マクドナルド創業者

新しい機械を発明するのも、新しいシステムを発明するのも、細部にまでこだわらないと成功しないのであろう。マクドナルドというファーストフードチェーンのシステムを作り上げたレイ・クロックは、そんな徹底的なこだわりの人である。マクドナルドの調理方法や合理化された店内のシステム自体はマクドナルド兄弟がつくりあげたものであるが、それを買い取り、フランチャイズシステムに仕上げたのがレイ・クロックである。このあたりは、スターバックスを育て上げたハワード・シュルツの自伝とも似ている。(たぶん、シュルツのほうがマクドナルドを模倣したのだろうが。)

起業家の自伝に共通するのは、企業の成長の過程でつぎつぎと登場する巨大な危機であろう。本書もその例に漏れず、つぎつぎと存亡の危機に立たされる。そして、邪悪(?)な敵も登場する。自社の成長を妨げるものは、全てが悪である。自らは事業の成長という使命感に燃えているため、それに反対する者、消極的な者は、後から振り返ったときに全て敵に思えるかのようだ。かつての起業の仲間であっても、途中から他のビジネスに移っていった者は裏切り者のように書かれている。またマクドナルドの株を早い時期からもっていながら、途中で売り払ったかつての仲間や部下に対しては、その後の成長による値上がり益を享受できなかった愚か者、因果応報とでも言うような書きぶりである。ビジネスのきっかけを与えてくれたマクドナルド兄弟、創業期のパートナー、旧妻、そして息子同様に慈しんだ後継のCEOまでやり玉にあげられているのは、ちょっとひどいと感じた。

これも成功する起業家のひとつの典型例ではあるのだろう。後半は文章の毒気が多くなるが、ビジネスの発展の物語としてはとても興味深い内容が多い。

フライドポテトをおいしくしようと工夫した話はとても良く、ひさしぶりにとフライドポテトを食べたくなった。



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2006年08月01日

第14世ダライ・ラマ3

チベットは日本人にとって、あまり馴染みの無い国である。だが、チベットの宗教的、政治的指導者でありノーベル平和賞も受賞した第14世ダライ・ラマの名は、聞いたこともあると思う。

以前、映画でセブンイヤーズインチベット(景色がとても美しかった)を見たときの、まだ少年であるダライ・ラマ(もちろん、役者)のイメージが心に残っている。あの映画を見たから、この本を買おうと思ったのだろう。

ダライ・ラマ自伝
本書では、ダライ・ラマの少年時代、玉座に着いてからの生活、中国との駆け引き、インドへの亡命、そしてチベット人への想い、仏教についてなどが自伝として描かれている。

チベットの精神的な指導者としての、高潔な人格に触れることができる本である。

7月にチベットに新たな鉄道が開通したという。チベットの人達が幸せになれればと思う。



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2006年07月29日

ウォルマートとサウスウエスト航空3

ウォルマートは「フラット化する社会」でも、デルと並んで現代の優れたサプライチェーンの代表的な企業として挙げられている。ウォルマートとは、EDLP(エブリデーロープライス)で、アメリカの消費者の利益に大きく貢献したと言われている。また、店頭の販売データをサプライヤーと共有することで、効率の良いサプライチェーンを構築した。いまやアメリカの小売業界の巨人である。ところが一方で従業員に対しては十分な医療保険を提供しておらず、従業員を大切にしていないという批判がここのところ高まってきている。顧客には優しいが従業員やサプライヤーに厳しいという社風なのだろうか。

このウォルマートという会社を理解する上で、創業者であるサム・ウォルトンの自叙伝は役に立つと思う。この 

私のウォルマート商法―すべて小さく考えよ
 は、地方のバラエティストアから始めて徐々にチェーンを拡大していった、サム・ウォルトンの立志伝である。叩き上げの人物であるといえる。現在のウォルマートは、サム・ウォルトンの顧客重視の教えを忠実に守っているのだろうなと、想像してしまう。

一方、従業員を大切にすることで企業を発展させてきた起業家もいる。サウスウエスト航空のハーブ・ケレハーである。

破天荒!―サウスウエスト航空 驚愕の経営
 は、政府の規制業種であり大手が寡占していた航空業界に、新規にチャレンジした新興エアラインの成功の物語である。こちらは全従業員一人ひとりの力を引き出すということを特徴とした企業である。ビジネス的には、機種をすべてボーイング737に統一することで整備コストや訓練コストを軽減し、客室乗務員が清掃を行うことで空港での折り返し時間を短縮して運行回数を増やし、また定時運行と顧客を楽しませることなどで顧客の信頼を獲得していった。単なる低価格の航空会社ではなく、顧客満足度の高い航空会社であるらしい。その後の新興エアラインの一つのビジネスモデルとなっている。

アメリカの起業家の自伝的な物語としては、スターバックス成功物語デルの革命 - 「ダイレクト」戦略で産業を変える なども有名である。この4冊を読んでおけば、ビジネス書を読むときに深い理解ができると思う。



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2006年07月25日

強力なリーダー達4

有名な経営者の自伝を読むと、とてもマッチョな感じの人もいる。きわめて強力なリーダーシップのもとに、改革を進めていったリーダー達である。たしかにすごいが、簡単には真似ができそうにない人達。

まず第一に取り上げられるのが、ジャック・ウェルチ。巨大企業GEを大発展させた経営者。

ジャック・ウェルチ わが経営 (上)
ジャック・ウェルチ わが経営(下)

 

(上のリンクは単行本のもの。文庫版も出ている。)

 

引退後の多少の毀誉褒貶はあるが、1位2位をとれている業界だけに経営資源を投入する選択と集中、シックスシグマ、ワークアウトなど、数々のイノベーションを実践してきた有能な経営者である。

我々一般人からは、机の向こう側(金持ち父さんでの表現)の経営者が何を考えているのか、垣間見ることができるという面白さもある。

次に紹介したいのが、ニューヨークの犯罪を撲滅し、安全でビジネスもやりやすい街に変えたルドルフ・ジュリアーニの自伝である。ジュリアーニは9.11のニューヨークで、消防と警察全体の指揮を執った前ニューヨーク市長である。

リーダーシップ
自伝ではあるが、リーダーシップの実践に焦点をあてた記述である。

  • 重要なことから始める
  • 優れた人材で周りを固める
  • 低く約束して高く実行する

など、リーダーシップの基本をしっかりと実践してきた人である。検察官出身の政治家であり、かなり強烈な印象。

ニューヨークの話を出したので、ついでにもう一冊。ニューヨーク選出の上院議員であるヒラリー・ロダム・クリントンの自伝も面白い。そう、クリントン前大統領の夫人である。エネルギッシュな人である。

リビング・ヒストリー ヒラリー・ロダム・クリントン自伝

政治活動を始めてからクリントンと出会い、州知事夫人、大統領選挙、そして大統領夫人への歩み。そして大統領夫人としての、女性の人権問題への取り組み、医療保険制度改革の挫折、そしてクリントン大統領のスキャンダルと続いていく。上院議員の当選というハッピーエンドで物語は終わる。クリントン大統領の自伝のほうは、まだ読んでいないが、これも読んでみたいと思っている。

3人のリーダーのそれぞれの顔を見てみると、穏やかな表情で写ってはいるが、意思の強さを感じさせる目をしている。



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2006年07月15日

カエサルの姿4

古代ローマの英雄、ユリウス・カエサル(英語ではジュリアス・シーザー)は、軍人にして政治家、そして悲劇の主人公でもある。

カエサルは、ガリア遠征の記録を詳細に残している。これがガリア戦記である。

ガリア戦記
ガリア征服の後、ローマの実権を握り、その後にライバルのポンペイウスと死闘を繰り広げたときの記録が、内乱記である。内乱記では、ローマ市民に対して、いろいろと言い訳をしている感じの文章となっている。

内乱記
これらはカエサルの自伝であるが、第三者として日本人の歴史家がまとめたものとして、カエサルがある。ガリア戦記、内乱記と合わせて読むと、当時のカエサルの心理状況も推し量ることが出来て面白い。

カエサル
ローマ時代の戦争の様子をビジュアルに体験できるのが、リアルタイムシミュレーションゲームの、ローマ・トータルウォーである。これは、数千人の兵士が戦う、大スペクタクルシーンが見物である。コーエーが販売している。

ギリシア・ローマ時代の戦争の様子を描き出した最近の映画としては、トロイとアーサー王を挙げることが出来る。時代の雰囲気が感じられて面白かった。

トロイ      

キング・アーサー



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