2008年05月28日
理性の奪還 合衆国副大統領が書いた本
理性の奪還 もうひとつの「不都合な真実」
前のアメリカ合衆国副大統領であるアル・ゴア氏が、現職のブッシュ大統領の政策を痛烈に批判した本。権力の座にいた人が書いているわけであり、普通の書き手に比べて、その記述内容に重みがあると思う。
ブッシュ政権が、いかにアメリカの伝統である建国の理念、民主主義の考え方や手続きを無視してきたかを、手厳しく指摘している。常時戦争状態におくことで、大統領の権限を拡大し、あたかも法を超越した存在であるかのように振る舞っていることが、数々の証拠で語られている。金持ちや大企業の意向ばかりを重視している現政権の問題点とそれによる弊害は明らかだと思う。
また、マスコミを使ってテロの恐怖を煽り、国民を誘導する方法などもわかりやすく語られている。これに対するには、米国民が草の根のインターネットで自らの意見を発信していくことの大切であると述べられている。
著者の米国式民主主義への熱い想いがよくわかる。もし、この人がアメリカの大統領になっていたら、世界は今とは全く違っていただろう。
米国の三権分立という均衡と抑制のシステムが危機にさらされていることが、ひしひしと感じられる本である。たった1代の大統領の政策によって、民主主義の総本山であるアメリカの民主主義システムが骨抜きにされてしまったことには驚きを感じる。























