2008年03月31日
波乱の時代(上)
FRBの仕事として心がけるのは、できるだけ曖昧に話すこと。なんだか、自伝でもそれを実践しているような感じの本だった。
中央銀行は何を考えて、どのような意図のもとに金利を上げ、下げるのか。そのことについてはとても理解しやすい感じがした。国全体の物価やインフレ、失業率を金利だけでコントロールしようという、壮大な仕事だと思った。一方で、神の視点に近いような感じもして、少し不快感も感じた。
学究肌の人物が、コンサルタントからFRB議長になり、18年間もその地位を保つ。きっといろいろなこともあっただろうが、そういったことは本書では触れられていない。ある意味で、政治家の自伝に近い感じもする。
とはいえ、なかなか知ることができないFRBや各国の中央銀行の仕事がわかりやすく描かれている。また、政府や政治家との関わり合い、議会との関係も読んでいて面白かった。
ロシアに民主主義と資本主義が根付かなかった理由の考察は納得できるものがあった。LTCMの危機の処理の話やアジア通貨危機はさらりと流している感じ。現ブッシュ政権の登場あたりからは、話が駆け足になってくる。最近の話には、まだ、あまり触れたくないということだろう。
伝えたいことだけを伝えようとしていて全体的に抑制が効いているが、なかなか面白い本だったと思う。
























