2008年07月23日

NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術3

NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術
究極の交渉術を知りたいと思ったら、命がけの交渉となる人質事件の犯人と警察のネゴシエーターの駆け引きを知らないといけない、と思ったわけではないが、興味があり買ってみた。

人質事件の交渉では、警察側は交渉係と記録係、そして決定を下す係(責任者)の役割分担が必要とのことである。個人がビジネスの交渉をするときでも、自分の中でこの3つの役割を切り替えていくと良いらしい。

  • 本当に必要とする目標設定はなにか
  • 心構えが整うまでは交渉に臨んではならない
  • 犯人には銃を与えない
  • 礼儀と敬意を忘れない
  • まずは相手に話させる
  • タイムを使う
  • クロージングの時が危険がある
  • 人は最後の決断をためらう
  • 最初のイエスを言わせる
  • 我々というスタンス
  • 無茶な要求への対処
  • 冷静さを保つ
  • 最悪のシナリオも想定する
  • ノーという選択肢も用意する

こういったことがポイントのようだ。

比較的、短時間に読める本。交渉で苦労しているときも、人質交渉に比べればと思って読むのも良いかも。

 



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2008年07月05日

アフリカ 苦悩する大陸5

アフリカ苦悩する大陸
著者のアフリカを見る目は優しいと思うし、公平な視点だと思う。先週の日経の書評は、評者の意見のほうが偏っているように思えた。

アフリカがなぜアジアのように発展できないのかを、イギリスのエコノミスト誌のアフリカ駐在特派員だった著者が取材や自身の生活経験を元に、様々な角度から検討、分析している。

エリートによる独裁制、内戦、ダイヤや鉱山、石油などの「資源の呪縛」。エイズの猛威。そして部族主義、派閥主義、人種主義を統治の手段として使っていることなど。とはいえ、いくつかの国は、これらの問題を何通りかのやり方で解決しており、そこに著者は希望を見いだしている。

どのように援助し、どのように貿易をすればアフリカの諸国は発展できるのか、アフリカの各国の政府はどうすれば良いのか。政府の政策の善し悪しが、発展するかしないかを決めていると言っても過言ではない。

最近、資源高の流れに乗って、アフリカを対象にした投資信託も登場し始めたが、中身は南アフリカの株式が中心であった。アフリカの希望の星は南アフリカと言うことなのだろうが、次に続く国はどこになるのだろうか。

少々古い話になるが、自衛隊のルワンダ難民救援派遣に関する本を以前に読んでいたので、本書が語るアフリカの状況は理解しやすかった。

不肖・宮嶋ちょっと戦争ボケ〈上〉1989~1996 (新潮文庫)



プロフェッショナルの原点3

プロフェッショナルの原点
ドラッカーの金言集である。時間管理、貢献、強みを生かす、人事、上司のマネジメント、自分自身のマネジメント、集中する、意思決定を的確に行う、などについて「とるべき行動」「身につけるべき姿勢」が説明されている。多くは、過去のドラッカー自身の著作の引用である。

気に入った言葉は手帳にメモをして、ときどき読み返すのがよいと思う。

この本を読んで、「経営者の条件」を読んでみたくなった。



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2008年06月30日

インデックスファンドとヘッジファンドの話4

米国はどこで道を誤ったか―資本主義の魂を取り戻すための戦い
ヘッジファンドの真実 (新書y 185)
最近、投資関係の本を2冊平行して読んだ。「米国はどこで道を誤ったか」は、インデックスファンドの雄、世界最大のミューチャルファンドであるバンガード・グループを立ち上げたジョン・C・ボーグルが書いた本である。内容は現代の米国の資本主義がゆがんでしまっていることに対する痛烈な批判である。

第1部株式会社アメリカでは、オーナー資本主義が軽んじられ、マネージャー資本主義になっていることが取り上げられている。プロスポーツ選手とスター経営者の違いは、プロスポーツ選手は他社から報酬を得るが、スター経営者は自社から報酬を得る。このためスター経営者の報酬が増えるほど、株主の利益を削ることになるということが述べられている。

第2部投資社会アメリカでは、投資機関が企業の株主となったことで、株主として経営者を十分に監視・監督していないことが取り上げられている。とくに、金融機関が投資機関を兼ねることで、企業は監視相手でありかつ顧客であることから、金融機関に利益相反が生じていることが問題とされている。

第3部ミューチャルファンド・アメリカでは、投資信託が株主の財産を殖やすことではなく、マーケティングにかたよってしまっていること、またファンドマネージャーが絶大な権限を握りその監視が不十分であることが述べられている。ファンドマネージャーが利益を取った後に、投資家に残りの利益が配分されているという現状が書かれている。

アクティブファンドは成功すればするほど、資金が流れ込むことで、だんだん市場全体を買うようになってしまい、結果としてインデックスファンドのようになってしまうという話は、とてもわかりやすかった。

 

「ヘッジファンドの真実」は、日本のヘッジファンドマネージャーが、ヘッジファンド業界とヘッジファンドの立ち上げ、戦略、運用などの舞台裏を具体的に語っている本である。ヘッジファンドというのは小さな所帯で運営されており、ファンドマネージャーやメンバーの個人的な資質に負うところが大きいということが語られている。

今40代の著者が5年後はともかく、10年後、20年後も今と同じようなエネルギーでファンドマネージャーという仕事をできるかどうかはわからないという、率直な説明はなるほどと思った。長期投資で10年、20年と保有したとしても、運用を担当するマネージャーも年を取り、変わっていくということを忘れてはいけないと思う。

投資信託やヘッジファンドの表と裏を見ることができる2冊だった。



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2008年06月22日

超巨大旅客機エアバス3804

超巨大旅客機エアバス380 (平凡社新書 413)
ぜひ乗ってみたい飛行機である。総2階建て飛行機で、座席や機内設備もゆったりしていて、そして静か。夢の飛行機の登場である。ボーイングのジャンボジェット機も大きいが、それよりもさらに大きい。そして、現代の最新テクノロジーが詰まっている。

本書は、A380の開発のストーリー、性能の特徴、導入を予定しているエアラインなどを紹介している。また、人類が巨大旅客機にチャレンジしてきた歴史なども書かれており、夢の飛行機登場という意義がよくわかるようになっている。

成田にはシンガポール航空がA380を毎日就航させている。まずはシンガポール航空のホームページでA380の紹介を楽しむのも良いのでは。

 



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偽善エコロジー4

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1))
環境に良いとされている活動、行動が実は意味が無いものも多いということを率直に説明している本。環境ビジネスに踊らされているという現状に警鐘を鳴らしている。

取り上げられているのは、エコな暮らしに関しては、レジ袋、割り箸、ペットボトル、ハウス野菜・養殖魚、バイオエタノール、CO2削減、冷房28度など。

また環境に関する危険、安全の勘違い、様々なリサイクルに関する善し悪しなども取り上げられている。

著者の着眼点は優れていると思うし、内容も良いのだが、唯一、義憤、公憤に基づく、マスコミと役人や企業に対する十把一絡げの弾劾が、読んでいて興趣を削ぐ感がある。本文中に何回も書くよりも、むしろそれだけできちんと一章を設けて、丁寧に意見を書く方が読みやすいのではないだろうか。そうでないと本文中のデータに基づく分析結果でさえも、事実なのか意見なのか、読む側に混乱や勘違いを招くのではないかと思う。

とはいえ、環境問題を考えみたい人には必読の書と思う。

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2008年06月15日

経済は感情で動く4

経済は感情で動く―― はじめての行動経済学
経済の理論は合理的な判断をする人間を想定しており、それが前提で組み立てられている。ところが、実際には人々は感情に従って行動をするため、非合理な行動となり、実際の経済は理論通りにいかない。特に損をすることを避けたがる、大きな金額になると細かな損得に無頓着になる、そして負けがこんでくると一発逆転をねらって、大きなリスクを取ろうとする、ということらしい。そして自分自身がそういう行動をしやすいということを知らないことが一番のリスクとなっている。

本書は、我々がいかに感情に頼って判断しているかを、実験例や心理テストを通して教えてくれる。そして、このような行動は脳の古い皮質と新しい皮質の役割分担によって起きているということが説明されている。最近のfMRIを使った研究で、合理的行動と非合理な行動の時の脳の働き場所なども明らかになってきているらしい。

つい非合理な投資行動をしてしまう理由がわかる本である。



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2008年06月10日

音楽遍歴3

音楽遍歴 (日経プレミアシリーズ 1) (日経プレミアシリーズ (001))
小泉元首相の自伝はまだ書かれていないが、本書は、クラシックやオペラ、プレスリーなど音楽分野の好みに関する自伝のような本である。小泉元首相の語り口そのままの文章であるため、文章でも特徴が出るのだなと最初は思ったが、元首相へのインタビューをして書かれた本とのことである。断定的な話し言葉が多いのはこのためか。だが、元首相の雰囲気が良く出ていると思う。

素人の趣味とは言いながら、幅広くクラシックを聴いてきた嗜好の変化などが詳しく書かれている。クラシックやオペラに興味の無い人でも、本書を読むと、自分も聴いてみようかと思うかもしれない。

音楽の楽しみ方を知らせてくれる本である。



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2008年06月03日

イラク戦費3兆ドルの衝撃4

世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃
得をする戦争はないこと、国として、社会としては戦争は大きな損であるということが良くわかる本。(ただし一部の者は得をしているのだろうが。)

イラク戦争のアメリカの戦費は当初の予想、予定を大幅に超えて増大しており、いまだに増え続けている。また戦争に投入された資金は再生産や経済の循環にはつながらないため、経済成長の機会損失につながっている。そして、兵員を大量に投入していることで国内の労働生産力の不足、戦死・負傷によって生産人口にもどれないこと、また、負傷によって傷害を負った元兵士を一生、国が養っていくことによる財政負担などが挙げられている。これらはトータルで3兆ドルに上るという。

一方で国民の一人一人の観点からは、戦死、戦傷によって人生を棒に振った若者、その影響を受ける家族などの犠牲のコストも計算されている。また、国土を戦場にされたイラク国民の被害もコストとして定量化されている。

イラク戦争勃発による国際情勢の不安定化とそれに伴う原油の値上がりによる、日本のコストは3070億ドルと試算されている。

これらはすべて、無計画で予算の見通しもないまま戦争に突入した現ブッシュ政権が引き起こしたともいえる。また、それを制止できなかった議会の問題でもある。そして世界は大迷惑を受けたといえる。

アメリカはイラクから撤兵できない限り、さらに戦費は膨らんでいく。また戦費は増税ではなく国債の発行でまかなわれてきた(諸外国が買ってきた)ことから、未来の負債をどうするのか、この点も、今後、大きな課題になるであろう。次期大統領に負わされる責務は大きいと思う。



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2008年05月28日

理性の奪還 合衆国副大統領が書いた本4

理性の奪還 もうひとつの「不都合な真実」
前のアメリカ合衆国副大統領であるアル・ゴア氏が、現職のブッシュ大統領の政策を痛烈に批判した本。権力の座にいた人が書いているわけであり、普通の書き手に比べて、その記述内容に重みがあると思う。

ブッシュ政権が、いかにアメリカの伝統である建国の理念、民主主義の考え方や手続きを無視してきたかを、手厳しく指摘している。常時戦争状態におくことで、大統領の権限を拡大し、あたかも法を超越した存在であるかのように振る舞っていることが、数々の証拠で語られている。金持ちや大企業の意向ばかりを重視している現政権の問題点とそれによる弊害は明らかだと思う。

また、マスコミを使ってテロの恐怖を煽り、国民を誘導する方法などもわかりやすく語られている。これに対するには、米国民が草の根のインターネットで自らの意見を発信していくことの大切であると述べられている。

著者の米国式民主主義への熱い想いがよくわかる。もし、この人がアメリカの大統領になっていたら、世界は今とは全く違っていただろう。

米国の三権分立という均衡と抑制のシステムが危機にさらされていることが、ひしひしと感じられる本である。たった1代の大統領の政策によって、民主主義の総本山であるアメリカの民主主義システムが骨抜きにされてしまったことには驚きを感じる。



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2008年05月22日

攻防メガ百貨店3

攻防メガ百貨店
どこのデパートに行っても同じブランド品が売っているから、どこに買いに行っても同じ...と思っていたのだが、実は違うらしい。よく売れるデパートほどバイイングパワーが強く、品揃えが良くなる。とくに伊勢丹は強力だとのこと。

ここ数年の大手百貨店の経営統合とその効果、得失、今後の長期経営戦略等、百貨店業界の今を克明に追った本。伝統と格式に対して効率化、スピード化をどのように取り組んでいるか、生い立ちの異なる百貨店の経営統合は百貨店の文化をどのように変えているかなどが書かれている。

東京では東京駅・日本橋地区、銀座地区、新宿地区が熱い地域になっているようだ。数十億から数百億円かけての改装費という金額の規模にも驚いた。年間売り上げの半分近い金額を改装費に充てるというのも、たいへんなことだと思う。

東京の百貨店でショッピングをするのが好きな人には、楽しめる本だと思う。



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着任3カ月の原則3

着任3カ月の鉄則―こんな「指導法」があったのか! 上司らしくなる技術 (PRESIDENT BOOKS)
最初に上司力レベルを判定するシートがあったので、これは中間管理職のための良いテキストかなと思った。着任3カ月の原則がたくさん書いてあるのかと...。ところが3カ月の話は、13ページほどだった。

第1章は、上司らしくなるための技術、第2章は、最新人事マネジメント10のポイント、第3章は経営者が語る新型マネージャーについて。

雑誌プレジデントの特集記事を再編集した本なので、大勢の著者の文章で構成されており統一感はない。だが、ひとつひとつの話は役に立つものだと思う。様々な立場、様々な視点、経験から書かれているので、ちょっとお楽しみ袋(福袋)的な感じだった。

 

 



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2008年05月17日

サブプライムの実相 詐欺と略奪のメカニズム4

サブプライムの実相―詐欺と略奪のメカニズム

サブプライム問題は、構造的な問題だったということがよく理解できる1冊。サブプライムの顧客層に対する詐欺的な貸付がなぜ起こったのか、なぜこれだけ拡大したのかが、その経済的なメカニズムとともに詳しく説明されている。とくに連邦政府、FRBの不作為に対して舌鋒は厳しい。

結局のところ本書で語られているつぎの言葉(P.191)に集約されると思う。

「悲劇は、ローンとは貸したものが返済を受けて、償還されるまで責任をもって、借り手の信用を監視するというモデルを実務慣行とする石器時代の法制度のまま、モーゲージやローンが善意無過失の投資家の間をを流通する時代になってしまったことだ。実体法は、そもそもローンなどが売買により譲渡され、しかも仲介者を通じて、証券化され、それほど容易に転売され、2次流通し、ましてや3次市場までできることなど想定していない。」

中略

「この市場のメカニズムは、想定外の詐欺がおこったとき、重大な欠陥を露呈する。しかし現実は、想定どおりにはいかない。不正は制度的温床があるから、同時代的に一斉に発生し、まるで伝染病のように広がり、3次市場ではもはや回収し治癒することが不能な状況におちいる。」

サブプライム貸付とその証券化という仕組みに重大な欠陥があり、一部の者はそれを利用し、一部の者は気がついていたがそのことを気にせず、大多数の者はそのことに気づいていなかった、ということだろうか。

本書の内容はとても詳細で、これだけでサブプライム問題の本質を語り尽くしていると思う。一方で、急いで出版されたためか、単純なワープロ誤変換、タイプミスなどの誤字、脱字、章の構成の見直しによるためなのか、同じ文章が複数箇所で出てきたり、3文字略語が説明なしで多用されて後から定義されているようなところなどが散見された。編集、校正が不十分な印象である。

このためいきなり本書を読んでも理解が難しいとも思う。私は下記の本を読んでいたので、本書も理解しやすかった。

サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 (宝島社新書 254) (宝島社新書 254)
こちらは、状況を把握するというためには、短時間で理解できる良書だと思う。

 



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2008年05月12日

交渉の論理力3

交渉の論理力!―どんな相手も説き伏せる切り返し術
著者は裁判官の経験のある弁護士とのこと。このため交渉時に、交渉者が第三者からどのように見えるのかなどについて書かれている点がひとつの特徴だと思う。

交渉においては、つぎの点に留意しておくと良いらしい。

  • 聞き上手であること
  • 留保を積み上げて逃げ道を作っておくこと
  • バッファゾーンを持つこと
  • タイムフレームを作って時間を制すること
  • 契約書は自社でつくること
  • オプションを多く持つこと
  • イエスを積み重ねていき、ノーと言いづらくすること

 

ここのところ交渉術の本を何冊か読んできたが、弁護士による交渉術はどうしてもウイン・ルーズの交渉の話になってしまうので、ビジネスで使える範囲は割と限定されている気がする。



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2008年05月10日

バフェットの教訓5

バフェットの投資哲学をシンプルな言葉で示してくれるのが本書である。

バフェットの教訓―史上最強の投資家 逆風の時でもお金を増やす125の知恵
アメリカでは第2位の資産家であるウォーレン・バフェット氏の金言集である。長期投資をするときの基本的な考え方、投資をするうえで避けるべきことなどの基本原則を、125通りの言い方で説明してくれている。

これらをきちんと守れば長期投資家になれるだろうし、守れなければ失敗するであろうということがよくわかる。暗唱できるくらいになった方がよいかもしれない。

印象に残った言葉をいくつか挙げてみる。

  • ルールその1、絶対に金を損しないこと。ルールその2、絶対にルールその1を忘れないこと。
  • トラブルから抜け出すより、トラブルを避ける方が簡単だ。
  • 成長に大量の資本を必要とするビジネスと、成長に資本を必要としないビジネスとでは、天と地ほどの差が存在する。
  • 損をしたのと同じ方法で金を取り戻す必要はない。
  • 時代遅れの原則は、もう原則でも何でもない。

バフェットの投資哲学を書いた日めくりカレンダーとかあれば、ぜひ欲しいと思った。



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2008年05月08日

カンブリア宮殿25

カンブリア宮殿 村上龍×経済人II

読み始めて、ゲストの人選がすごいと思った。初巻のときよりも、ある種の凄みを感じる。初巻のときはまんべんなく、総花的な、幕の内弁当のような感じだった記憶がある。企業の規模別、成長段階別にバランス良くという感じだったと思う。ところがこの第2巻は、明らかにねらいがあり、人選に偏りがある。社長たちの信念の強さ、事業に対する集中力、思い入れの強さだけでなく、挫折や失敗の経験とそこからの成長、復活に焦点を当てていると思う。

登場する企業は名の知られた企業が多いが、多角的に事業展開している企業ではなく、この道ひとすじという会社が中心である。尖ったトップ企業を選んでいるともいえる。

どの社長も個性があるが、それぞれ魅力的な人物だと思う。



2008年05月06日

ことぱのゲリラ反撃術4

仕事をしていると、コミュニケーションに苦労することがある。とくに相手がひどい人の場合、言われっぱなしにならないために、効果的に反論する必要が出てくる。

その相手が顧客の場合、交渉というレベルであれば交渉術の本、相手のごり押しを防ぐという場合は、本書のような本が役に立つと思う。

ことばのゲリラ反撃術―やられっぱなしで終わらせない!

本書ではやられっぱなしになることのデメリットを最初に説明し、反撃の必要性を言っている。次に自分自身の心の守り方があり、きつい攻撃に対する具体的なかわし方としてつぎの5つの戦術を提唱している。

  • 反射の戦術
  • 分散の戦術
  • 質問の戦術
  • 延期の戦術
  • フィードバックの戦術

その上で、反撃の仕方、切り返しの仕方などを説明している。どれも具体的で役に立つと思う。

ここのところ、交渉術の本を何冊か見てみたが、弁護士か精神科医、心理学の専門家が書いた本が多いようである。そういう面では、ビジネスの現場にどこまで通用するかという気がするものもあるが、本書は自分のこころの守り方の話なので、役に立つと思う。



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2008年05月05日

ヒルズ黙示録・最終章3

ヒルズ黙示録・最終章 (朝日新書)

ライブドア事件の顛末をまとめた本「ヒルズ黙示録」の続編。村上ファンドに対する東京地検特捜部の捜査の特異性、村上ファンド側の対応、そしてライブドア事件の公判の経緯が詳細に語られている。本書では特に、特捜の国策捜査的な見込み捜査のあり方に疑問を呈している。また、公判で明らかになったライブドアの複雑な粉飾決算のやり方も説明されている。

前書でもそうだったが著者の目は、ライブドア事件の登場人物に対して優しい部分があると思う。その点が読み手をほっとさせてくれる。

前書は単行本だったのが、本書は新書版になった。本書の出版は2006年11月。ちなみにホリエモン逮捕は2006年の1月。たった2年前のことなのに、もう随分前のことのように思える。



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なぜあの人は人前で話すのがうまいのか3

なぜあの人は人前で話すのがうまいのか

本書は話し方の本である。とくに自己紹介の大切さが語られている。また、伝え方のコツ、大勢の人を前にした場合のスピーチのポイントなども書かれている。

ときどき、初心に返ることは大切だと思う。



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2008年05月04日

上司の壁3

上司の壁―なぜ上司は物分かりが悪いのか!?

どんな上司でも、上司を無視して仕事をすることができるわけはないのだから、上司の行動様式を理解する必要がある。

上司との関係を改善する方法、自分をわかってもらうにはどうすればよいか、説得の仕方、上司の本音のつかみ方、上司の動かし方。タイプ別・上司の説得方法などが、書かれている。

読みながら我が身を振り返ると、少々耳に痛い気もした。

はじめての課長の教科書と併せて読むと、上司の立場と部下の立場のそれぞれのモノの見方が理解できて良いと思う。



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波乱の時代(下) −世界と経済のゆくえ−5

波乱の時代(下)

下巻の内容は、資本主義の擁護者の面目躍如である。アメリカ経済の守護神、バリバリの保守主義者という印象を受けた。

経済成長と資本主義の関係からはじまり、各国の今後の経済成長の見通し。特に中国、ロシア、インドの見通しと中南米のポピュリズムを取り上げている。いわゆるBRICsである。

米国の経常収支と巨大な債務については、それほど問題ないと言っている印象だった。

グローバリゼーションと規制、インフレ対策なども語られている。教育と所得格差の章では、米国の初等・中等教育の問題点が挙げられている。

高齢化社会、コーポレート・ガバナンス、エネルギー問題についても取り上げられ、そして最後には未来予測まで書かれている。盛りだくさんであり、経済学の教科書になりそうな内容である。フラット化する社会のFRB版という感じ。

ただどうしても、FRB議長という上からのマクロの視点が中心であることから、何かしらの見落としや穴もありそうな印象も受けた(サブプライム問題もその一つなのだろう)。行動心理学的な観点が少ないのではないだろうか。見えざる手を信頼しすぎているかのような気もした。

とはいえ、すばらしい本であることは確かである。



はじめての課長の教科書5

はじめての課長の教科書

本書のはじめに書かれているように、中間管理職向けのビジネス書というのはあまりない。課長という職能に求められるスキル、パワーゲーム、避けられない問題等について、明確に説明されていて、教科書として役に立つ本である。

部長と課長の違いがどこにあるのか、課長にとって大切な仕事は何か、課長になってからのキャリア戦略をどう考えるべきかなど、何となくもやもやとしていることがはっきりと言語化されていて、頭の中がすっきりする感じである。

課長になった人、課長になる前の人は一読の価値があると思う。



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2008年05月03日

聖火リレー妨害とスタンド・アローン・コンプレックス5

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man

このところチベット人権弾圧に抗議する人々が、各国でオリンピックの聖火リレーを妨害する事件が続発したが、ニュースを見ていて思ったのが、攻殻機動隊で使われているスタンド・アローン・コンプレックスという言葉であった。一人一人は個別の行動であるが、それらが複雑に絡み合って大きな動きになっているところが、現代のネットワーク社会の特性が表れているように感じた。

昔であれば組織的な反対活動、妨害活動が行われるのだろうが、今回の事件は、それぞれは個別独立した人が各々行動しているため、警備する側も予測がつかず、難しい点があったのだろうと思う。

こんな現実を予想したかのようなビデオ映画が、この攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man である。物語の中で私腹を肥やす警察の高官が、つぎつぎと妨害者に攻撃されるところが、何とも似ている感じがした。

スタンド・アローン・コンプレックスという考え方が出てくる第2作もある。

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG Individual Eleven

こちらは、テロリストが個別独立に発生するというところから物語が始まる。

攻殻機動隊S.A.C.のシリーズは近未来感が特徴だと思うが、今回の聖火リレーの妨害事件は、近未来が現実になってきていることをリアルに感じた。



sunnycanal at 23:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!DVD  | コラム「夜間飛行」

私はこうして受付からCEOになった5

私はこうして受付からCEOになった

米国のヒューレット・パッカード社のCEOだったカーリー・フィオリーナの自伝。気弱な女の子だった著者が、成長し、就職し、仕事に努力していく中で、ついにはトップ企業のCEOにまで出世する。出世物語であるが、男性CEOが書く本とは違い、女性ならではの苦労、葛藤が、率直に語られていてとても好感を持てる。

仕事に取り組む上で何を大切にするべきか、本書は初心に返らせてくれる本であり、とても元気になれる本でもある。

カーリー・フィオリーナというと鉄の女性のようなイメージを持っていたが、マスコミのバッシングなどで傷ついていたということもよくわかった。

先週まで日経新聞の私の履歴書で扇千景の連載があったが、それとも通じる部分があるような気もする。

カーリー・フィオリーナのコンパック買収劇については、この本がわかりやすい。

私はあきらめない―世界一の女性CEO、カーリー・フィオリーナの挑戦

あきらめないというのは、大切だと思う。



2008年04月25日

日常の疑問を経済学で考える3

日常の疑問を経済学で考える

なぜ、冷凍室にライトはついていないのか、牛乳パックが四角なのはなぜか、DVDとCDはなぜパッケージの大きさが違うのか、バーで水は有料でピーナッツが無料なのはなぜか、女性モデルが男性モデルより稼ぐのはなぜか、ホテルのミニバーはなぜ高価なのか、ビデオデッキに普通の人が使わない機能がたくさんついているのはなぜか、レストランでドリンクが無料なのはなぜか。

いろいろな日常のコストなどに関する不思議について、説明してくれる本である。大学の経済学の先生が、学生たちに考えさせたレポートからいろいろとヒントを得て書いた本らしい。アメリカの事例が多いため、ちょっとわかりにくいものもあるが、多くの疑問について納得できる理由が説明されていて面白い。

 

似たテーマの本としては、この本もおもしろかった。

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

両方併せて読むと、生活力がアップするかもしれない。



2008年04月23日

なぜあの人は、5時帰りで年収が10倍になったのか4

なぜあの人は、5時帰りで年収が10倍になったのか?―成功者だけが知っている、時間とお金の極意

気軽に読める本。自己啓発書を読み慣れた人には少し物足りないかもしれないが、元気を出したい人にはちょうど良いと思う。とてもわかりやすく書いてあって、がんばってみようという気になる。

あらためて見てみると、気に入った言葉がたくさんあった。

  • 健康を大切にすること。
  • 時間を大切にすること。
  • しっかりと睡眠を取ること。
  • 時間を短縮できるよう素早く行動すること、ながら族も有効。
  • お金と友達になること。
  • 人間の繁盛店になること。
  • 将来お金持ちになるという考えを持っていなければ、決してお金持ちにはならない。貧乏人のやることをやっていては、いつまでたっても貧乏人である。
  • 感動という特権を行使する。受け手であるあなたの感受性次第。
  • 変化を楽しむ。
  • 自分で自分の人生の脚本を書き、監督をし、主演する。ストーリーがあるのとないのでは、人生は全く違ってくる。
  • 肯定的な考え方をする。
  • 仕事の手柄は部下のものとせよ。
  • 毎年正月に5年後の予測を書いてチェックし、できるだけ予測が当たるように書き直していく。
  • 船長が船を動かすのではない。その行く先の指示を出すのが船長の役割だ。

このうち、いくつ実践できるか、やってみようと思う。



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2008年04月13日

FBIアカデミーで教える心理交渉術3

ビジネスに役立つ本 - livedoor Blog 共通テーマ

FBIアカデミーで教える心理交渉術 (BEST OF BUSINESS)

情報量の差が交渉のときの力関係を決定すると本書はいう。

「もしも」という言葉の活用の仕方、そして交渉の成功率は相手が交渉に投資した時間に比例するなど、あらためて言葉で説明されると納得できることが多い。

交渉の3要素は、力、時間、情報だという。著者自身の経験も交えながら、わかりやすく説明してくれている。公式の交渉の前に、相手とコミュニケーションを取っておくことの重要性など、なるほどと思った。

本書の初版は1981年。改題しての発刊である。交渉の専門家の本だけあって、タイトルの付け方もなかなかくせ者だなと思った。



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2008年04月09日

貧困大国アメリカ3

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ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)

新聞を読むと、サブプライム問題では、銀行などの金融機関の経営の話ばかりが語られているが、サブプライムローンで支払いができなくなり家を追い出されたアメリカの人々はどのような状況なのか、あまり伝えられていない。

本書のエピローグではサブプライムで住宅を得て、そして失った人々の話からスタートする。フードスタンプという貧困層向けの福祉政策が、高カロリー食品ばかりを食べる貧困層を生み出しているということも語られる。2005年にアメリカ国内で飢餓状態を経験した人口はなんと3150万人にものぼるという。

災害対策の民営化がニューオリンズの洪水の悲劇を生み、学校のチャータースクールという民営化が学校間の格差を拡大していく。高い医療保険料と医療費によって、中流階級でも、入院をすると貧困層に転落してしまうという恐ろしい実態も描き出されている。

このような状況の中で、大学進学の援助と引き替えに、軍隊に入る若者も増えているとのこと。無事に帰国できれば良いが、在郷軍人病院への国の補助が減っているため、負傷して帰国すると十分な治療が受けられないという話もあった。

大学生が学費のローンで苦労している話や、仕事がなく家族を養うために危険なイラクでトラックの運転手をした人の話など、現代アメリカのひどい状況が描き出されている。

アメリカはどうなってしまったのだろうか。これからどうなってくのだろうか。

そして日本はどうなるのだろうか。



2008年04月07日

常識破りの組織に変える 33人の否常識3

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常識破りの組織に変える 33人の否常識

常識を破ることでビジネスを成功させる。そのことを33人のベストセラー本の著者、講演家、経営者、思想家たちが、それぞれの言葉で読者に対して強烈なメッセージを送っている、常識にとらわれずに成功した人たちのメッセージ集である。本というのはメッセージ性を持つが、この本は、様々な人が自分の言葉で文章を書いているので、誰でもいくつかはピンと来るものがあると思う。

いくつか印象に残った考え方など。

  • 辺鄙な部署にとばされると仕事人生の危機とされていたが、多くの企業で本部は現状維持の砦であるため、辺縁にいれば実験できる。
  • 業界間で行われる模倣の方が、非現実的な創造や革新よりも、効率的かつ効果的である。
  • 天気は誰にとっても同じではない。天気の話題は、ビジネスマンにとって、交流を図り、話題をつなぎ、さらに深い話題に移るための最良の手段かもしれない。内気な人でも、天気についてなら、個人的な感想を述べてくれる。

33人も著者がいるので、本書は、別のビジネス書を探すときのリンク集としても使えるかもしれない。



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2008年04月01日

ジョークで読む国際政治4

政治ジョークは、昔からある典型的なパターンを、新しい登場人物を使って語るというのが定番だと思う。

ジョークで読む国際政治 (新潮新書 256)

本書は、オバマ対ヒラリーの米大統領選挙という最近の話題まで取り込んだ、国際政治の最新ジョーク集である。

お馬鹿なブッシュ大統領、秘密警察的なプーチン大統領、ビル・クリントンとヒラリー・クリントン夫婦、フランスの大統領、韓国の大統領、中国の首相、小泉首相などが取り上げられている。そして珍しいところでは、フィリピンのアロヨ大統領とインドネシアのメガワティ大統領という二人の女性大統領などのジョークもある。定番のイスラエル対パレスチナ、北朝鮮の金主席、イラクのフセイン大統領などもある。

比較的最近の話題をネタにしたジョークが多いので、ジョーク集好きの人にも楽しめる本だと思う。